「金持ちCLUB」は、その日のうちに解散になった。
そして、この一件で、「新人類創造計画」が完全に頓挫したことを知ったアダムは、新たなる野望を胸に秘めて、静かに動き出したのである……。
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――とある国の首都・某所。
その国の首相官邸では、首相が側近たちと深刻な顔を突き合わせていた。
首相は言った。
首相:さあ、どうする?
側近A:困りましたなぁ。まさか、あのお方が、こんなことになるとは……!
側近B:ああ、なんと嘆かわしいことか!
これだから、我々のような旧世代の人間は信用ならないのです! 側近C:まったくですぞ!
我々は、ただ平和に暮らしていたいだけなのに、どうしてこうも邪魔が入るのか!? 側近D:ええい、うるさいわっ!!(机を叩く)
首相:まあまあ、落ち着いてください。みなさん。
側近たち:はっ、申し訳ありません……。
首相:しかし、このまま黙っているわけにはいきませんね。何とかして、事態を収拾しなければなりますまい。
側近A:そうですね……。
首相:ところで、皆さん。あの方は、どこに行かれたんですかねぇ? 側近B:確か、あの方なら、今日から新しい任務があると言っていましたよ。
首相:新しい任務ですか。一体、何でしょうかね?
側近C:さあ、それは私にも分かりません。でも、何か重要なことでしょうな。
首相:ふむ……。
――その時だった。突然、部屋の明かりが消えたのだ! 同時に、部屋の中にいたはずの側近たちの姿が消えてしまった。
そして、室内にいた首相だけが、一人取り残されたのである。
首相:こ、これはいったい!? どこへ行ったんだ、みんな!? そんな時だ。首相の目の前に、巨大なモニターが現れた。
そこに映っていたのは……アダムの姿であった。

アダム:やあ、久しぶりだね。
首相:あ、あなたは、アダム様!? なぜ、ここに!? アダム:君に会いに来たんだよ。
首相:そ、そうですか……。それで、私にご用件というのは……?
アダム:実は、ある人物について調べてほしいことがあるんだ。
首相:ある人物と言いますと…………あの、例の新人類の男の人ですか?
アダム:ああ、そうだ。彼を調べてくれないか?
首相:承知しました。早速調査に取り掛かりましょう。
アダム:よろしく
